2026年6月16日
ご縁をいただき、大学で「コミュニケーション」に関する講義を担当している。
教壇に立つたびに、自分自身が改めて「伝える」ということについて考えさせられる。
もちろん、学生たちに何かを教えられる立場だなどと大それたことは思っていない。
ただ、これまでの放送現場で培ってきた経験を少しでも還元できれば…
そんな思いで講義に臨んでいる。
振り返れば、番組取材やインタビュー、生放送、スポーツ実況、イベント司会など、様々な現場を経験してきた。
その中で常に向き合ってきたのが、「人に何かを伝えること」、そして「人から話を聞き、それを伝えること」だった。
講義の準備を進める中で、これまでの経験を一つひとつ棚卸ししてみる。
「なぜ、その言葉は相手に届いたのか。」「なぜ、そのインタビューは本音を引き出せたのか。」
逆に、「なぜ伝わらなかったのか。」
そんなことを振り返っていると、コミュニケーションとは、単なる話し方の技術ではなく、
「相手を理解しようとする姿勢」そのものなのではないかと思えてくる。
話す力も大切。しかし、それ以上に聞く力が大切なのだと思う。
さらに、アナウンサーは、年齢や経験によって役割が違うということも。
若手の頃は、まず基礎力、技術を磨く。
中堅になるとスキルアップは勿論だが、番組のMC等要の存在となり、番組を背負っていく。
ベテランになると、継続でスキルは磨き続けるものの、経験を還元していく年代だと感じる。
私はこれまでの放送経験を社会に還元していく年代なのだと…。
学生たちには、アナウンサーのテクニックだけではなく、
社会に出てからも役立つ「伝える力」と「聞く力」の本質を伝えられたらと思う。
そして何より、講義を通じて学んでいるのは、実は私自身かもしれない。
学生たちの率直な意見や柔軟な発想に触れるたび、新たな気づきをもらっている。
大学での講義は、これまでの経験を振り返る貴重な機会であり、自分自身のコミュニケーションを見つめ直す時間でもある。
これからも「伝えること」の奥深さを考えていきたい。