戦後79年を迎えるなか、戦争体験者、特に出征経験のある人が急激に少なくなっています。東京大学の大学院生、相原利彦さん(25)はこうした現状に危機感を持ち、全国の戦争体験者を訪ね、証言を集める活動を行っています。情報源は新聞やネット記事。見つけ出すと、直筆の手紙を送って約束を取り付けます。費用は週4日のアルバイト代。3年間で17人から話を聞くことができました。
千葉県に暮らしている相原さんですが、山陰両県にも何度も足を運び、様々な体験者と面会しました。南方を転戦した難波和夫さん(104)。ノモンハン事件で重傷を負った柳楽林市さん(106)、戦闘機の搭乗員だった境港市の松下薫さん(95)...元兵士たちは、長らく胸の内に秘めていた悲惨な体験を相原さんに語りました。集めた証言はいずれ何らかの形で伝えていきたいと考えています。残された時間は、もうあとわずかです。
ナレーション:後藤 詩織(鳥の劇場)