約4000年前古代エジプトで始まり日本には6世紀頃に伝わったとされる工芸「七宝焼」。七宝焼は、金・銀・銅を素材としてその上に「釉薬」という粉状のガラスを乗せて焼くことで、化学反応によって透き通った輝きを放っている。七宝焼に魅せられこの伝統工芸を祖母から受け継ごうとする女性が鳥取市にいる。岡垣七宝研究所の生徒、岡垣みなみさん28歳。
みなみさんが「先生」と呼ぶ、祖母の岡垣幸得さんは日本を代表する七宝作家。幼いころから祖母の作品を見て育ったみなみさんは、21歳のとき大学中退を機に祖母の勧めで七宝への道を歩み始めることに。七宝作家の平均年齢は70歳越え。20代のみなみさんは貴重な若手なのだ。無我夢中になって制作に向き合う姿勢、そして、孫を見つめる祖母の思い。七宝が繋ぐ祖母と孫の世界とは。
ナレーション:福谷貞夫