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交通事故につながる恐れのある急ブレーキが起きやすい場所を予測しその原因を探ろうと鳥取県内で新たな取り組みが行われています。 対向車線にはみ出しながら勢いよく交差点を曲がる車。危険を回避するためにやむを得ず急ブレーキを踏みます。みなさんも思い切りブレーキを踏んだ経験はありますか。 JAF鳥取支部 鈴木悠一郎 係長 「このあたりが危ないですよというところで現地調査をしたところ、相手が見えないこのコーナーが危険なのではと結論に至った」 これまでJAFでは、住民からの電話や投稿のみを頼りに危険と思われる道路を調査し、道路環境の改善を提言してきました。 しかしー。 JAF鳥取支部 鈴木悠一郎 係長 「結局一般の方からの声頼みになりますので全くお声がないときというのも実際ございました。ですから危険個所というのはたくさんあるはずなんですけど認知できない、その課題はございました」 そこで、去年4月からあいおいニッセイ同和損保の持つ急ブレーキ発生率のデータを使い、地域の危険個所候補を可視化。 この地図をもとに急ブレーキが発生しやすい道路を調査できるようになりました。たとえば鳥取市のこちらの交差点。住宅街の道路で通学の自転車の通行も多いこの場所の課題はー。 JAF鳥取支部 鈴木悠一郎 係長 「ブラインドコーナーで相手の車が見えない。左側から来る車が見えない」 車幅が広く速度が出やすいこと、上り坂で急に車が視界に入ってきたように見えることが急ブレーキにつながるとみています。 JAF鳥取支部 鈴木悠一郎 係長 「ミラーがここないんですよ。ミラーがないので余計に出てから気づくしかない。ミラーがあればその危なさも気づくのが早くなるかな」 さらに自転車の飛び出しが原因で起こる急ブレーキも。"止まれ”の標識は自転車にも適用されますがー。 自転車利用者 「標識は見てないです」 「完全には止まってないかもしれないです」 互いに見えない交差点で侵入した自転車に気づかず急ブレーキをかけることもあります。 また、近くに学校がある倉吉市の交差点では。右折する多くの車が停止線を踏み対向車線にはみ出しながら曲がっていました。 JAF鳥取支部 鈴木悠一郎 係長 「待っている停止車両や、そこに進入してくる車がショートカットしてきた車にぶつかりそうになるという恐怖心から急ブレーキを踏む」 取材班が1時間調査したところ、右折した車54台中36台が対向車線にはみ出しながら曲がるという結果に。 これらの道路はなぜ危険なのか?最新のシステムを使って交通事故の要因を研究している人がいます。 鳥取大学情報システム研究室 桑野将司 教授 「我々が開発したAIはどこが危険かを再現して、その要因がなにかを説明できるAIとなっています」 ことし2月、鳥取大学情報システム研究室が開発したAIシステム「ディープニューラルネットワーク」です。 まず、人口、土地の標高、道幅など事故が起こる要因となりそうなものを54の項目に分けます。開発したAIシステムにそれぞれの要因を入れて計算すると事故リスクの確率が予測できます。 鳥取大学情報システム研究室 桑野将司 教授 「道路構造に関する要因で、うまく交通事故がどこで発生しているかが分析できれば、何か施策を打って交通規制をするとか、信号を設置することでどれくらい事故のリスクが上がったり下がったりするのか、分析できるようになります」 これまでJAFが活用していた危険個所を示す地図に加え、このAIを使うことでどういう施策が必要なのかを裏付ける役割りを果たすのです。 鳥取大学情報システム研究室 桑野将司教授 「将来的には危険な場所でなにを実施すれば・どういう対策を取ればリスクが下がるのか対策を自動的に提案できるようAIに発展させていって事故リスクが少ない地域づくりにつながればいいと思っています」 現在、桑野教授たちは鳥取市中心部の事故リスクについて研究中。 今後は全国規模に拡大していきたいと話します。 JAF鳥取支部 鈴木悠一郎係長 「客観的に誰が見ても危ないねというデータの根拠になる。これまでは(JAFの)主観でしかなかったものが、客観的なデータが整うので、みんながマップを見た時に危険だよね、そして、我々が道路管理者に提言することによって、早急に危ない点が改善されることを期待しています」 JAFは今年度からAIシステムを活用した調査に取り組む予定です。また、これまで通り住民から道路に関する提案を募集しているということです。 交通事故を防ぐために。様々な情報をもとに最新の調査が進んでいます。
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